「臨床的寛解」という治療目標に向かって治療を行います。

ひと昔前まで、関節リウマチ(RA:Rheumatoid Arthritis)は、痛みや腫れなどの自覚症状を抑える対症療法的な治療が一般的でした。

しかし、近年、薬物療法は飛躍的に進歩し、現在では関節リウマチ患者さんの将来の関節の損傷を長期にわたって防ぐことが期待できます。こうした変化を受けて、将来の関節の損傷を防ぐための治療目標を定め、その目標に向かって確実に治療を続けていくという関節リウマチ治療の考え方「目標達成に向けた治療(T2T:Treat to Target)」が示されました。

T2Tでは「臨床的寛解※1」を治療目標とし、その目標に向かって治療を行っていきます※2 。関節リウマチの治療では、患者さんご自身が確かな知識を身につけ、積極的に治療に参加することが大切です。

※1 臨床的寛解:病気の勢いが完全に落ち着いて進行が止まっている状態のこと
※2 病歴が長い患者さんでは寛解を目指すことが難しい場合があり、症状が落ち着いた状態である「低疾患活動性」が当面の目標となります。

 

関節リウマチでは、疾患活動性(病気の勢い)が変動します。また、疾患活動性が高いまま放置すると、関節の損傷が進みます。そのため、「総合的疾患活動性指標」という共通の「ものさし」を使って疾患活動性を評価しながら、目標とする数値に向けて確実に治療を続けることがすすめられています。

総合的疾患活動性指標にはいくつかの種類がありますが、これらを使って疾患活動性を評価しながら、具体的な数値で、疾患活動性の程度を確認します。また、治療前と治療後の数値を比べることで、治療効果がどの程度かを客観的に評価できるので、治療方針を立てるうえでも有用です。

主な総合的疾患活動性指標

SDAI (Simplified Disease Activity Index)

読み方:エスダイ

 

CDAI (Clinical Disease Activity Index)

読み方:シーダイ

 

DAS28 (Disease Activity Score)

読み方:ダス28

 

SDAI、CDAI、DAS28は以下の測定結果から算出します。

医師による関節の評価

医師が手、ひじ、肩など28関節を触診して
• 押さえた時に痛みのある関節の数
• 腫れている関節の数
を確認します。

患者さんご自身による全般評価

目盛りのついたスケール(VAS)を使って、ご自分の体調がどれくらいかを自己評価します。

医師による全般評価

医師がVASを使って、患者さんの体調や全身状態を評価します。

血液検査

血液検査で、ESR(血沈)またはCRP(C 反応性タンパク)の値を測定して、炎症の程度を調べます。

医師による関節の評価

医師が手、ひじ、肩など28関節を触診して
• 押さえた時に痛みのある関節の数
• 腫れている関節の数
を確認します。

患者さんご自身による全般評価

目盛りのついたスケール(VAS)を使って、ご自分の体調がどれくらいかを自己評価します。

医師による全般評価

医師がVASを使って、患者さんの体調や全身状態を評価します。

血液検査

血液検査で、ESR(血沈)またはCRP(C 反応性タンパク)の値を測定して、炎症の程度を調べます。

医師による関節の評価

医師が手、ひじ、肩など28関節を触診して
• 押さえた時に痛みのある関節の数
• 腫れている関節の数
を確認します。

患者さんご自身による全般評価

目盛りのついたスケール(VAS)を使って、ご自分の体調がどれくらいかを自己評価します。

医師による全般評価

医師がVASを使って、患者さんの体調や全身状態を評価します。

血液検査

血液検査で、ESR(血沈)またはCRP(C 反応性タンパク)の値を測定して、炎症の程度を調べます。

SDAIの評価項目

CDAIの評価項目

DAS28の評価項目

ただし、DAS28は「1・2・4」を決められた計算式にあてはめて算出します。

数値と疾患活動性の評価

病気の勢いが弱く、症状が落ち着いているほど数値は小さくなります。
指標によって計算式が異なるため、疾患活動性の基準となる値は異なります。どの指標を使うか、主治医に確認しておきましょう。

関節リウマチの治療は、 患者さんとリウマチ医が共に決めるべきです。

最も重要な治療ゴールは、 長期にわたって生活の質(QOL)を 良い状態に保つことです。これは、次の事によって達成できます。

  • 痛み、炎症、こわばり、疲労のような症状をコントロールする
  • 関節や骨に対する損傷を起こさない
  • 身体機能を正常に戻し、再度、社会活動や労働に参加できるようにする

 

 

治療ゴールを達成するために最も重要な 方法は、関節の炎症を止めることです。

明確な目標に向けて疾患活動性(しっかんかつどうせい)を コントロールする治療は、関節リウマチに最も良い結果をもたらします。

それは、疾患活動性をチェックし、 目標が達成されない場合に、 治療を見直すことによって可能となります

関節リウマチ治療における主なゴールは、痛みや腫れを取り除くだけでなく、関節の損傷を抑えて身体の機能を保ち、いつも通りの日常生活を送ることです。ここからは、目標達成に向けた治療のための10か条についてご紹介します。

関節リウマチ治療の目標は、まず臨床的寛解(りんしょうてきかんかい)を達成することです

臨床的寛解とは、炎症によって引き起こされる疾患の症状・徴候(ちょうこう)が全くないことです

治療目標は寛解とすべきです。 しかし、特に病歴の長い患者さんでは困難な場合もあり、低疾患活動性(ていしっかんかつどうせい) が当面の目標となります

日常診療における治療方針の決定には、関節の診察を含む総合的な疾患活動性のチェック法を用いることが必要です

疾患活動性のチェック法や治療目標の選択には、個々の患者さんの状況:すなわち他の疾患があるか、患者さんに特有の事情があるか、薬の副作用に関する事情があるかなどを考慮します

疾患活動性は定期的にチェックし、記録することが大切です。中〜高疾患活動性の患者さんでは毎月、低疾患活動性または寛解が維持されている患者さんでは6ヵ月ごとに行うことが必要です

通常の診療で治療方針を決定する時には、疾患活動性に加えて、関節の損傷や日常生活動作がどの程度制限を受けているか、他の疾患があるかも考慮します

薬物治療の内容は、治療目標が達成されるまで、少なくとも3ヵ月ごとに見直されます

設定した治療目標に到達した後には、関節リウマチの全経過を通じてその状態を維持し続ける必要があります

リウマチ医は、治療目標の設定と「目標達成に向けた治療(T2T[ティートゥーティー])」を患者さんと共有します